米露対立の図式は、1991年にソビエト連邦が解体したことにより終焉を迎え、東西対立から南北問題や宗教・民族間対立の時代へと、国際社会は変化してきたと見られていました。
しかしながら、国力を回復したロシアの影響力は旧ソビエト領の各地に残り、今後の国際関係の大きな火種ともなり得る状況となってきたと言えそうです。
今回のグルジアでの軍事衝突とその背景については、いくつか記事がありますが、一番分かりやすかったのはこの記事です。
⇒ 解説委員室ブログ:NHKブログ | 視点・論点「グルジア情勢について」(著:静岡県立大学准教授 廣瀬陽子)
この中で、まず、紛争の背景について解説されています。引用しますと・・・・
グルジアの南オセチア、アブハジアは、同じく旧ソ連のアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ、モルドヴァの沿ドニエストルと並んで、「未承認国家」と呼ばれています。
「未承認国家」とは、「国家」としての体裁を整え、自ら「国家」を自称していますが、国際的に国家承認を受けていない地域です。
これら地域の分離独立問題はペレストロイカ末期から顕在化し、武力紛争に発展しました。どのケースでもロシアの支援によって「未承認国家」が紛争に勝利し、その後もそれら地域に本国の主権が及ばない状況が続いてきました。
「未承認国家」の法的地位や多くの難民・避難民の帰還問題など、多くの問題が未解決のままで、小規模な軍事衝突は絶えず起きてきましたし、紛争はいつでも勃発しうる状態だったといえます。
突然起きた紛争ではなく、20年前から問題があったようですが、特にグルジアについては、ソビエト連邦の成立時点から複雑な問題があったようです。
オリンピックの開会にタイミングを図った軍事侵攻は、予想に反して、ロシアによる強い反撃を受けることとなりました。
ロシアの強い態度の背景については、再び引用しますと
今回の衝突の背景には、昨年、ロシアのソチで2014年の冬季オリンピック開催が決まったこと、エネルギー輸送問題、今年の2月に旧ユーゴスラヴィアのコソヴォが独立宣言をして欧米諸国がそれを支援したこと、さらにグルジアとウクライナのNATO・北大西洋条約機構への加盟問題があります。
アブハジアとソチは非常に近く、ロシアはアブハジアをソチオリンピック開催のために後方支援地として利用し始め、工場や鉄道などの建設、整備を進めていました。それはグルジアにとって主権の侵害であり、アブハジアが豊かになれば独立の気運がさらに高まることも大きな脅威でした。
そしてグルジアを通るバクー・トビリシ・ジェイハンパイプラインをはじめとした、ロシアを排除したカスピ海資源の輸送計画を、欧米が着々と進めていたことにもロシアは反感を募らせてきました。ロシアはそれらの妨害を常に試みてきましたが、今回の攻撃の目的の一つにエネルギー支配の奪還があるとも考えられています。
エネルギー資源については、地球温暖化対策や地球環境保全との対でよく議論される問題ですが、現在の原油価格高騰にも見られるように、国際経済そして国際紛争に大きな影響を与える重要なファクターであることを認識しておかなければいけないようです。
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